100分de名著「茶の本」感想
岡倉天心(1863-1913)
茶の本(The book of TEA)
- 茶をモチーフとして、東洋文化について語った本
- 美しくも愚かしいこと
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- 老子によってはじめられた
- 不完全性=虚
- 水差しはからっぽであるから、水をいれることができる
- からっぽだから、動ける、無限の可能性がある、受け入れられる いっぱいだと、もう身動きできないみたいな感じ
- 茶室はからっぽの家
禅
- 小さいものの偉大さ
- 日々のささいなくらし(草むしりとか)に宗教儀礼と同等の重要さを見出す
茶室
- 空き屋…空っぽだから、何でもいれられる(虚の思想)
- 好き屋…茶人の好みにあわせて好きにできる(相対性)
- 数寄屋…非対称であることによって、完全を求める心のうごきが生まれる(不完全性)
琴には琴の音をうたわせよ
- 演奏者の自己表現をするために、琴を従わせるのではなく、琴と同化して、琴にうたわせる
- 自己表現ではなく、自他一体となる
感想メモ
- この間「熱源」を読んだから、明治維新のころの日本の感じがつかみやすい。西欧に侵略されないように、西洋文明を必死に取込み、生きようとしていた時代だ。そんな時代に東洋ってこんなにすごいんだぞって言っていたのはすごい。
- すっかり西洋化されてしまって、日本って、日本人ってなんだって考えることもなくなっている
- 道教と禅について知らないので、いまいちピンときてない
- 五浦(いづうら)いいところだな。一度行ってみたい
- あとは数寄屋も実際にみてみたい。京都の桂離宮とか修学院離宮。
- まとめると、茶には東洋の思想(老荘思想、禅)のエッセンスがつまっている。不完全性、相対性、日々のささいなことを大事にすること、自他一体となること、自然と一体となること、など。東洋の思想は西洋の思想(個人主義、物質主義)とは違うよさがある。