100分de名著「カラマーゾフの兄弟」 感想
まとめ
ドストエフスキー(1862-1881)
- ロシアの小説家・思想家
- 17才のときに父親を殺害されている
- 28才のときに死刑宣告されている(恩赦で助かる)
フョードルはダメ人間だが、生命力のある人物として描かれている
- ドミートリイ(美)は最初の妻、イワン(真)・アレクセイ(善)は2番目の妻から生まれている
- シラーの「群盗」
- スメルジャコフは去勢派とかかわりがあり、性欲の強いカラマーゾフ家からとは異なる存在として描かれている
- プロとコントラはイワン(無神論者)VSアレクセイ(宗教者)の論戦。様々な悲惨な出来事(絶対的な悪)が現実には存在することから、イワンは神を否定する
- 「大審問官」は現実には地上のパンが必要であるとしている。最後のキリストのキスの余韻を感じていることから、大審問官にも後ろめたさはある
- イワンは黙過する
- ゾシマの死、腐臭によってアレクセイの信仰は揺らぐが、啓示を得て回復する
- 社会主義のコーリャは第2部で活躍する人物と思われる
- 第2部は皇帝殺しがテーマになると思われる
- 歴史層、物語層、象徴層、自伝層の4つの階層がある
感想メモ
- カラマーゾフの兄弟。読んだことはあるけど、読み終えたのかそうでないのか記憶がない。新潮文庫の上巻だけは何度も読み返しているけれど、なかなか中巻・下巻まで進めていない
- ロシアの歴史の知識がなくて、なかなか歴史的な背景がわからないなと思っていた
- 「父殺し」か。僕は全くそんな感情をもったことがない。そもそも家族に対してコンプレックスがなさすぎる。反抗期の記憶さえない。このコンプレックスのなさが、よくもわるくも僕をのんきな人間にしたのだと思う。
- 家族はただ関係の近い他人だと思っていて、僕にとってその他大勢の他人と基本的には同質の存在だ。
- 「こんなにひどいことが起こっているのになぜ神は助けてくれないんだ?」「なぜ神はこんなひどいことを起こすんだ?」っていうのは無神論のよくある根拠なのかな。遠藤周作の「沈黙」でも同じ論理で宣教師が屈服させられていた