「家康、江戸を建てる」門井慶喜 感想

  • 家康とその家臣たちが未開の地である江戸を100万都市にしていく話。プロジェクトXのような。治水、造幣、上水、江戸城建築のプロジェクトごとに章が分かれている
  • 文章がうまくないのに、これだけ面白い小説はない、という書評をみたけれど、文章がうまくない、というか小説ぽくない。情景描写や心理描写がほとんどないからだ。ただ淡々とプロジェクトが語られるが、プロジェクトそのものが面白いし、余計な描写がないからサクサク読めるというのもある。不思議な小説。そして、これが直木賞候補作だったのか、と。直木賞を受賞した「熱源」を読んだけれど、ずいぶん重さが違う。
  • 東京の地名の由来が知れて面白い。こんなに江戸時代由来の地名があるんだな、と。江戸時代までほぼ未開だったから、それもそうなんだけれど。昔の話を踏まえて散歩したら面白そうだし、江戸城にも一回いってみたいなと思った。それだけで、読んだかいがあった。
  • もうちょっと地図とか、図解とかがあればわかりやすいのになと思った。文章だけでは、位置関係とか仕組みとかがわかりづらい。スマホで場所を調べながら読んだ。