「ポイズンドーター・ホリーマザー」湊かなえ 感想

  • 短編集だった。はずれがなくどれも面白い
  • 今まで読んだ、湊かなえの小説はどれもそうだったけれど、複数の人物が誰かに語りかけるような感じで書かれている。この人の視点からみるとこうだけど、別の人の視点からみるとこうなんだという違いを楽しむ感じ。どちらの視点が正しいっていうわけでもない。
  • 新聞の客観的な記述。「X月X日にXXX市で会社員のXがXにXXXした」みたいな記述は客観的な事実だけれど、これを色々な人物の視点から主観的に記述するみたいな感じ。
  • タイトルになっているポイズンドーター、ホリーマザーは、毒親の話だけれど、そういうのと無縁に育った僕からはいまいちピンとこない。それぞれ程度の差はあれ、ひどいなと思ったけれど。
  • 一番好きなのは「ベストフレンド」。漣さん、普通にすごく努力家だし、意識高いけど、ちゃんと実践してるし、いい人だと思うのになぁ、と思っていたから、ラストの展開にそうだよなぁと思った。大豆生さん視点から見たら(書かれてないけれど)、それはそれで大豆生さん嫌な人だなぁってなりそうな気がする。