「世界を変えた10冊の本」池上彰 感想
全体を通して
- 名前は知っているけれど読んだことがない本
- たった一冊の本が世界に影響を与えるのはすごい。それも聖書やコーランなんて1000年以上前に書かれた本が現代にもつながっているのかと思う。
- 各本の簡単な要約という感じなので、内容については原著を読んでみないとなぁと思った
アンネの日記(1947・オランダ)
- 第二次世界大戦でユダヤ人にひどいことをしたから、ヨーロッパはユダヤ人(イスラエル)に強く出れないらしい
- ユダヤ人の少女アンネの13~15才ころの日記
- ナチスによる強制収容から逃れるため、隠れ家で生活を送っていたときの日記
- アンネは見つかって、死んでしまう。隠れ家から日記が発見される
- 名前は知っているが読んだことはなかった
- 原文はほんとに少女の日記という感じ
- あの子が嫌いとか母親が嫌いとか好きな人ができたとかとか、なんか女の子という感じがする
- アンネがどういう最期を迎えたかを知っていて読むと、なんともいえない気持ちになる(100日後に死ぬワニ的な?)
聖書
- 旧約聖書は紀元前5世紀ごろ。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖典
- 創世記や出エジプト記など
- いろいろ細かい決まり(うろこのない魚を食べてはいけない)とかが書いてある
- 旧約聖書はイエスは出てこない
- 新約聖書は1世紀から2世紀にかけて。キリスト教の聖典
- ○○による福音書(イエスの使徒が書いたイエスの物語・記録)などからなる
- 新約とは新しい契約の意味、イエスによって神と人に新しい契約が交わされたという意味、ここから旧約聖書という言い方も生まれた
- 神の子であるイエスが、人間の罪を代わりに引き受けて、死に、復活する
- イエスが十字架にかけられるとき、ユダヤ人が「末代まで呪われてもいいから、殺せ」と言ったらしく、そのせいでユダヤ人は差別されてきた
コーラン
- 7世紀ごろ?、イスラム教の聖典
- ムハンマドが神から受けた啓示を記録した
- 神から啓示を受ける人のことを預言者という。イスラム教ではイエスは神の子ではなく、預言者である
- 聖書は芸術作品をみるときに、背景に聖書のこういう物語があるとか解説を読むからなんとなく知っているけれど、コーランのほうは全く知らなかった
- なんか人間味がある感じがするというか、ちょっとみた印象では聖書より面白いかも、と思った
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(1904~1905・ドイツ)
- ドイツのマックス・ヴェーバー(1864-1920)によって著された論文
- 資本主義で成功している人々にプロテスタントの人が多いことに着目した
- カルヴァンの予定説では、救済される人間はあらかじめ決められているので、救われるために寄付したり、善行を積んでも無駄である
- 自分が救われる側であるか不安になった人たちは、神から与えられた(とされる)仕事に励んだ
- 神から与えられた仕事に自分がこんなに一生懸命になれるということは、神の御心にかなっており、救われる側の人間だと思うことができたからである
- 単なるお金を目的として働くのではなくて、働くこと自体が目的だった
- わかるようなわからないような説明
- こういう宗教的な背景はないけれど、日本人も仕事のために働くところがあるよなと思った。これはなぜなんだろう?真面目だから?
資本論(1967・イギリス)
イスラーム原理主義の「道しるべ」(1964・エジプト)
- サイイド・クトゥブによる書
- オサマ・ビン・ラディンの思想を形成したとされる
- 神にのみ主権を認め、イスラム教によって社会を統治するべきである
- イスラム教以外を信じている社会やイスラム教を信じていても神以外の存在に主権を認めている社会はジャーヒリーヤ(無明)社会である
- ジャーヒリーヤ(無明)社会は破壊しなければならない
- 上記も聖戦(ジハード)である
- 何か西欧の近代文明がはいってきて、自分の文化が薄れていくの嫌だっていうのはわかる
沈黙の春(1962・アメリカ)
- レイチェル・カーソンの著作
- 農薬による環境汚染の危険性について書いた書
- この本をきっかけに環境問題が考えられるようになった
- 農薬は環境に悪いから絶対禁止ではなくて、いい感じで使っていこうというバランス感がいいなぁと思った
種の起源(1859・イギリス)
- ダーウィンの著作
- ガラパゴス諸島の生物が独自の進化をとげていることに注目し、適者生存の原理を説いた
- その後の生物学や異なる分野にも応用された
- 神が全ての生物を創造したとするキリスト教の教えに反する
- 弱者が滅びるのは仕方ないという考え方にもつながる
雇用、利子および貨幣の一般理論(1936・イギリス)
- ジョン・メイナード・ケインズの著作
- 国が借金して公共事業をおこなうことで雇用が増え、その給料で消費が生まれ景気が回復する。借金は景気が回復した後にかえせばよい
- 上記のように最初に国が支払った額の何倍も効果を生むことを乗数効果、乗数理論という
- 国が色々と手出しして、コントロールすべき(大きな政府)
- 公共事業がだんだんと効果がなくなったり、景気が回復しても国が借金を返そうとしなかったりする問題も
資本主義と自由(1962・アメリカ)
- ミルトン・フリードマンの著作
- 小さな政府(夜警国家)、リバタリアニズム(自由至上主義)を唱えた
- 政府は何もせず、市場の自由競争に任せるべき、国営事業は不要、民営にして競争させることで、よくなる
- なんかアメリカらしい考え方だなと思った
- 極端にも思えるけどスカッとするというか、明快で
- 競争に負けたらどうするんだろうというのが気になる