「告白」湊かなえ 感想
告白
- 告白、あまりなじみのない言葉だ。目次をみると、聖職者とか殉職者とかが並んでいるから、神父さんに秘密を告白するの告白なんだとわかった。愛の告白ではなく。
- 1ページ目から、一人の人間がずーっと話しているからびっくりした。確かに告白だ。本当に目の前で告白されているみたいで、息がつまる
- とにかく面白かった。視点が変わると見え方も大分変って面白い。裏ではこんなこと考えてたからなのか、とか。面白いだけと言えなくもないが。
- 第一章だけで終わるつもりで、後は付け足しらしい。確かに第一章がとくに迫力があった。
第一章「聖職者」
- 第一章は教師による、AとBの告白。普段ならあるはずのオブラートが全くない話し方に狂気を感じる。冒頭の何の関係もなさそうなミルクタイムの話がラストにつながっておおっとなる。
- 「聖職者」は教師である語り手のことなのかな。
第二章「殉教者」
- 第二章は委員長の生徒視点からの1章の後の話。新しい教師のウェルテルは「ニックネームで呼ばれて生徒と仲良くなったと感じるタイプ」の教師。そして、熱血先生のファンだと思われる。皮肉が効いている。
- 「空が灰色だから」の『4年2組熱血きらら先生』にそっくり
- 生徒たちによる私刑は、あおり運転のガラケー女に対する誹謗中傷とか最近よくある色々な事を想起させる
- タイトルの「殉教者」は牛乳を修哉にぶつけた後、ごめんと言ってしまった美月のこと。(踏絵を踏めなかった)
第三章「慈愛者」
- 第三章は直樹の姉、母視点。第一章の終業式から直樹のこころが壊れていくまでの話
- 真相を知らない母と姉が、いつ真相に気づくかと読んでいたら、新しい事実が明らかになった
- タイトルの「慈愛者」は直樹を愛する母のことなのか
第四章「求道者」
- 第四章は直樹の視点から
- 直樹みたいな人はいっぱいいる気がするけど、ほんのはずみで人を殺してしまうことってあるんだろうか。それとも、人を殺してしまったって、ちょっとしたはずみで起こることなんだろうか。
- タイトルの「求道者」はこれまでの流れだと直樹のこと?イマイチ何が求道者なのかわからないが…
第五章「信奉者」
- 第五章は修哉の視点から
- なんだろう、委員長を殺してしまったところで少し冷めてしまった。
- まともな感じがしていた委員長もナルシーかぶれのアレだったので何か残念な気持ちになった
- タイトルの「信奉者」は母だけを信奉する修哉のこと。テロリストって感じ。
第六章「伝道者」
- 第六章は再び教師の悠子の視点から。直樹と修哉の裏には悠子の思惑があった。
- 修哉の母は何て言ったんだろう。爆弾を研究室に設置しちゃったということはロクな答えはなかったのかもしれない。
- タイトルの「伝道者」は愛美を殺した修哉の考え方を変えようとする悠子のことなのかな