「火星年代記」レイ・ブラッドベリ 感想

  • ブラッドベリの「華氏451度」がとても面白かったから、他のも読んでみたくなった
  • 地球人が火星に到達し、破壊し、また地球に帰っていく。それを様々な人、エピソード、テーマからつづっていく。各章の人々にあまり関連性はない。一話完結で、だから火星年代記というタイトルなんだ。
  • もともと、別々に書いていた文章をつなぎあわせてできた小説らしい
  • 地球からの第一探検隊、第二探検隊、第三探検隊を殺す、火星人のやり方が見事。兵器とか暴力ではなくて、思い出で人を殺す
  • 地球人は火星を支配するけれど、戦争によってではない。地球人のもちこんだ病気(水疱瘡)によって、火星人はほぼ絶滅してしまう。
  • 兵器とか宇宙戦争とか興味がないので、よかった
  • 印象に残っているのは、探検隊を精神病院送りにした話、思い出で殺した話、神父と火の玉の話、パーティに向かう火星人と地球人がすれ違った話
  • ラストがなんだか切ない
  • 火星人は見た目が異なるけれど、地球人と同じような感じ。地球人とは違った進化をした人間のような感じで描かれている。地球人と全然異なる精神構造ではない、むしろ近しいのに、地球人はわざとではなく火星人を絶滅させてしまう。もし水疱瘡の件がなくても、戦争になっていたような感じだ。
  • 火星人のほうは地球人のことをどう思っていたのだろう。探検隊を殺したりしていたけど、最後のほうは地球で戦争が起こっていると知らせてくれている?あんまり火星人側のことは書かれない。最初のほうの話くらい。あとは全部地球人の話なんだよな。火星年代記ってタイトルだけど、地球人の話なんだ
  • 見知らぬものは悪であり、火星人の文化は尊重されることなく、地球化されていく。「熱源」のロシアと日本に文明化されるアイヌと同じものを感じた