2020年7月21日 水槽のある中華屋
今日の夜は中華を食べた。
初めて入る中華屋だった。
入り口からは店の中が見えなくて入りづらい。
入口はトイレの芳香剤の香りがした。
中は意外と広々としていた。
牛肉とニンニクの芽炒め定食を食べた。
うまくもまずくもなかった。
店のかたわらに大きな水槽が置いてあった。
緑に濁った水に、金魚よりふたまわり大きいくらいの錦鯉が泳いでいた。
2020年7月20日 江戸城とエチオピアのチキンカリー
落合から東西線に乗って、江戸城に行った。
「家康、江戸を建てる」という本を読んで、実際に江戸城を見たくなったからだ。
正門である大手門から入った。
本当に人間用か?と思うくらい大きな門だった。
門の大きさと石垣と高さに圧倒された。
本丸や天守台の跡地、それから北桔橋門を見て回った。
城は残っていなくて、石垣と芝生と砂利道しかない。
けれども、数百年前にはここにでっかい城があって、武士が歩いていたと思うと不思議な気分だ。
それから、神保町まで歩いて「エチオピア」でチキンカリーを食べた。
スパイスカレーは苦くて、「食べ慣れればこれがおいしく感じるのだろうか?」といつも疑問だったけれど(こどものころビールのおいしさがわからなかったのに似た感覚だ)、ここのカレーはスパイスの味はするけれど、苦くなくておいしく食べられた。
「世界を変えた10冊の本」池上彰 感想
全体を通して
- 名前は知っているけれど読んだことがない本
- たった一冊の本が世界に影響を与えるのはすごい。それも聖書やコーランなんて1000年以上前に書かれた本が現代にもつながっているのかと思う。
- 各本の簡単な要約という感じなので、内容については原著を読んでみないとなぁと思った
アンネの日記(1947・オランダ)
- 第二次世界大戦でユダヤ人にひどいことをしたから、ヨーロッパはユダヤ人(イスラエル)に強く出れないらしい
- ユダヤ人の少女アンネの13~15才ころの日記
- ナチスによる強制収容から逃れるため、隠れ家で生活を送っていたときの日記
- アンネは見つかって、死んでしまう。隠れ家から日記が発見される
- 名前は知っているが読んだことはなかった
- 原文はほんとに少女の日記という感じ
- あの子が嫌いとか母親が嫌いとか好きな人ができたとかとか、なんか女の子という感じがする
- アンネがどういう最期を迎えたかを知っていて読むと、なんともいえない気持ちになる(100日後に死ぬワニ的な?)
聖書
- 旧約聖書は紀元前5世紀ごろ。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖典
- 創世記や出エジプト記など
- いろいろ細かい決まり(うろこのない魚を食べてはいけない)とかが書いてある
- 旧約聖書はイエスは出てこない
- 新約聖書は1世紀から2世紀にかけて。キリスト教の聖典
- ○○による福音書(イエスの使徒が書いたイエスの物語・記録)などからなる
- 新約とは新しい契約の意味、イエスによって神と人に新しい契約が交わされたという意味、ここから旧約聖書という言い方も生まれた
- 神の子であるイエスが、人間の罪を代わりに引き受けて、死に、復活する
- イエスが十字架にかけられるとき、ユダヤ人が「末代まで呪われてもいいから、殺せ」と言ったらしく、そのせいでユダヤ人は差別されてきた
コーラン
- 7世紀ごろ?、イスラム教の聖典
- ムハンマドが神から受けた啓示を記録した
- 神から啓示を受ける人のことを預言者という。イスラム教ではイエスは神の子ではなく、預言者である
- 聖書は芸術作品をみるときに、背景に聖書のこういう物語があるとか解説を読むからなんとなく知っているけれど、コーランのほうは全く知らなかった
- なんか人間味がある感じがするというか、ちょっとみた印象では聖書より面白いかも、と思った
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(1904~1905・ドイツ)
- ドイツのマックス・ヴェーバー(1864-1920)によって著された論文
- 資本主義で成功している人々にプロテスタントの人が多いことに着目した
- カルヴァンの予定説では、救済される人間はあらかじめ決められているので、救われるために寄付したり、善行を積んでも無駄である
- 自分が救われる側であるか不安になった人たちは、神から与えられた(とされる)仕事に励んだ
- 神から与えられた仕事に自分がこんなに一生懸命になれるということは、神の御心にかなっており、救われる側の人間だと思うことができたからである
- 単なるお金を目的として働くのではなくて、働くこと自体が目的だった
- わかるようなわからないような説明
- こういう宗教的な背景はないけれど、日本人も仕事のために働くところがあるよなと思った。これはなぜなんだろう?真面目だから?
資本論(1967・イギリス)
イスラーム原理主義の「道しるべ」(1964・エジプト)
- サイイド・クトゥブによる書
- オサマ・ビン・ラディンの思想を形成したとされる
- 神にのみ主権を認め、イスラム教によって社会を統治するべきである
- イスラム教以外を信じている社会やイスラム教を信じていても神以外の存在に主権を認めている社会はジャーヒリーヤ(無明)社会である
- ジャーヒリーヤ(無明)社会は破壊しなければならない
- 上記も聖戦(ジハード)である
- 何か西欧の近代文明がはいってきて、自分の文化が薄れていくの嫌だっていうのはわかる
沈黙の春(1962・アメリカ)
- レイチェル・カーソンの著作
- 農薬による環境汚染の危険性について書いた書
- この本をきっかけに環境問題が考えられるようになった
- 農薬は環境に悪いから絶対禁止ではなくて、いい感じで使っていこうというバランス感がいいなぁと思った
種の起源(1859・イギリス)
- ダーウィンの著作
- ガラパゴス諸島の生物が独自の進化をとげていることに注目し、適者生存の原理を説いた
- その後の生物学や異なる分野にも応用された
- 神が全ての生物を創造したとするキリスト教の教えに反する
- 弱者が滅びるのは仕方ないという考え方にもつながる
雇用、利子および貨幣の一般理論(1936・イギリス)
- ジョン・メイナード・ケインズの著作
- 国が借金して公共事業をおこなうことで雇用が増え、その給料で消費が生まれ景気が回復する。借金は景気が回復した後にかえせばよい
- 上記のように最初に国が支払った額の何倍も効果を生むことを乗数効果、乗数理論という
- 国が色々と手出しして、コントロールすべき(大きな政府)
- 公共事業がだんだんと効果がなくなったり、景気が回復しても国が借金を返そうとしなかったりする問題も
資本主義と自由(1962・アメリカ)
- ミルトン・フリードマンの著作
- 小さな政府(夜警国家)、リバタリアニズム(自由至上主義)を唱えた
- 政府は何もせず、市場の自由競争に任せるべき、国営事業は不要、民営にして競争させることで、よくなる
- なんかアメリカらしい考え方だなと思った
- 極端にも思えるけどスカッとするというか、明快で
- 競争に負けたらどうするんだろうというのが気になる
池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」 感想
適当な要約
歴史
- 第二次世界大戦後、革命が起こってソ連や中国、ポーランドなど共産主義(社会主義)の国が次々とできた
- 資本主義の国は規制や制度をつくって労働環境をまもって労働者が革命をおこさないようにした
- 共産主義の国は国による生産管理がうまくいかなくて、自壊した
- 資本主義の国々で新自由主義(マーケットに任せればうまくいく)が流行した
- 労働環境を守る規制が新自由主義のもと、なくなっていった
- 現在、派遣切りなどの問題が起こっている
カール・マルクス(1818-1883)について
- ドイツ・プロイセン王国出身
- 両親はユダヤ教徒だったが、キリスト教に改宗
- 大学では法学部だったが、ヘーゲル哲学に夢中になった
- その後ライン新聞の新聞記者となるが、弾圧を受ける
- 次第に経済学の研究に没頭していき、「資本論」「共産主義宣言」等を記す
資本論(1967)について
- 資本主義経済の仕組みを解説した本
- 第一部はマルクス自身が書いたが、マルクスが死んだため第二部移行は親友のエンゲルス等がマルクスの残した草稿をもとに書いた
- 共産主義や革命を支える理論として用いられることもあるが、資本主義を完全否定はしていないし、資本主義が最大限発展した後に労働者たちによって革命が起こるのだとしている
- 実際に起きた革命は、労働者たちによるものではなく一部の知的階級の人々たちによるもので、資本主義がまだ発展していない国々で起こった(マルクスの想定していたような革命ではなかった)
商品
- われわれの身の回りには商品があふれている。このブログを書いているパソコンも何もかも商品だ
- 商品には使用価値と交換価値がある。
- 使用価値とは役に立つ、人々の欲望を満たすものだということだ。コップであれば水を飲むのに使えるし、本であれば、知的欲求を満たしたり、楽しい気分になったりだとかする
- 交換価値とは、商品は交換できるということだ。今はもうしないけど、昔だったらリンゴ10個とみかん20個みたいな物々交換がなされていた
- 使用価値があるからこそ、交換価値がある。何の役にもたたないものなら、誰も交換してくれないだろう
労働力
- なぜ異なる商品を交換できるのか。それは商品はみんな労働によって作られたものだからだ。リンゴであれば、種をまいたり水をやったりといった労働によって作られている。ダイヤモンドであれば鉱山にいって、掘り出す労働など。商品を作るのにかけた労働の大きさによって商品の価値が決まる
- 労働は特殊な商品である。「使用価値自体が勝ちの源泉」
貨幣
- 最初はみんな商品を物々交換していた。だけどリンゴは置いておいたら腐ってしまう。保存することができない。
- なので、リンゴを保存のできる稲(日本)やきれいな貝殻(中国)、塩(ローマ)などに一旦交換しておいて、後で必要なときに別のものと交換するというやり方になった
- 次に米や貝殻は金や銀などにとって代わられた。しかし、金や銀は重いし、持ち運びに不便だ。そのため、金に交換できる券(紙幣)が使われることになった(金本位制)
- 次第に発行した紙幣に足りる金がなくても、紙幣を発行するようになっていった
- 第二次世界大戦後はアメリカが一番経済力が強かったので、ドルが世界のお金(決済通貨)になった。一ドル360円の固定相場制だった。
- ベトナム戦争等でドルがばらまかれ、ドルと金の交換が停止された。変動相場性になった。紙幣は金の交換券ではなくなったが、皆が紙幣は商品と交換できるものと信用している(共同幻想)ため、お金として使われている。
資本
- W-G-W(商品をつくる→お金にする→商品を買う)という流れだったが、そのうちG-W-G(お金で商品を買う→商品を加工する→商品を売ってお金を得る)という動きをする人たちが出現する
- G-W-Gの動きを繰り返して、どんどんお金を増やしていく。この運動のことを資本といい、この運動をおこなっている人を資本家という
- お金がどんどん増えていくのは買った商品をそのまま売るのではなく、商品に付加価値をつけて最初より多くのお金を得ているため
- 付加価値をつけるものは、労働である。例えば鉄やアルミのような金属もろもろの材料を買ってきて、それを鋳造して組み立てて車にして売る。もろもろの材料を車にするのに労働が必要
- 労働者は労働力を資本家に売り、資本家は労働者に賃金を払う。賃金は労働力の再生産に必要なお金(生活費)である。
- 労働者の労働のうち、賃金分を「必要労働」、それ以上の分を「剰余労働」という
- 「剰余労働」が多くなれば多くなるほど資本家はもうかる。そのため資本家は長時間労働させたり、生産性を高めたりする
- 資本家は資本の奴隷になる
工場
- もともとは一人だったり、家族で仕事(労働)をしていたが、皆で工場に集まって仕事をするようになった
- 協働することによって、生産性があがるようになった
機械
- 機械のことを「不変資本」、労働者のことを「可変資本」という
- 機械をつかうことによって、労働を削減することができるようになる
- 機械の値段より、削減分の労働が多い場合に資本家は機械を買う
- 機械を買うのは労働者を楽にするためではなく、よりもうけるためである
資本主義社会の結果
- 資本の運動でどんどん社会は豊かになっていく
- 豊かな資本家と貧乏な労働者のような格差社会がうまれる
- 景気が悪くなったときには、失業者が増える
- 使える労働者を育てるために、教育が充実する
- 機械が導入され、どんどん労働の密度が高まっていく
- 競争のなかで資本はどんどん合併していき、巨大企業が生まれる
- 労働者は資本家に比べて立場が弱い
- 労働者は結託して、革命が起きる
感想メモ
- マルクスとか「資本論」っていうと学生運動とか革命とかのイメージがあって、何か危ないものという偏見があったけれど、おもしろかった
- なるほど上手く説明しているなという感じ(納得できない、こういう例外はどう説明するの?っていう箇所はもちろんあるけれど)
- しかも、思ったよりずいぶん昔の本だった。1900年代の本かと思っていた。こんな昔にこれだけのことが書かれていたのかという驚きがある
- 言われてみれば、身の回りは「商品」しかない。「商品」でないものって何だ?って探してみると、僕が保育園のころ作った紙ねんどの虎くらい。あとはゴミ箱のゴミ?自分でつくったものと価値のないものしかない
- 自分についても考えてみる、僕は会社で働いている。つまり労働者だ。幸いいい職場だ。搾取されているという感じはしない。資本家になりたいとも思わないが、自営業には憧れる。
- 商品は欲望のためにあるのか?ものをかうときにそこまで考えていない。なんとなくほしい、としか。
- 商品を作り出すための直接的な労働時間だけでなく、商品を作り出すための技術を身に着けるための時間も価値には含まれているのだろうか?
- ブランドもの、とかはどうだろう?プラダのバッグを作るのに必要な労働時間もノン・ブランドのバッグを作るのに必要な労働力も同じなのに、プラダのバッグは圧倒的に高価だ。宣伝するのとか、ブランドイメージをつくるのに必要な労働時間も価格につめこまれているということなのだろうか。
- まぁ、でも個別の事象についてマルクスは言ってないんだろうな。社会全体の平均として、説明できるよという話なんだろう。
「家康、江戸を建てる」門井慶喜 感想
- 家康とその家臣たちが未開の地である江戸を100万都市にしていく話。プロジェクトXのような。治水、造幣、上水、江戸城建築のプロジェクトごとに章が分かれている
- 文章がうまくないのに、これだけ面白い小説はない、という書評をみたけれど、文章がうまくない、というか小説ぽくない。情景描写や心理描写がほとんどないからだ。ただ淡々とプロジェクトが語られるが、プロジェクトそのものが面白いし、余計な描写がないからサクサク読めるというのもある。不思議な小説。そして、これが直木賞候補作だったのか、と。直木賞を受賞した「熱源」を読んだけれど、ずいぶん重さが違う。
- 東京の地名の由来が知れて面白い。こんなに江戸時代由来の地名があるんだな、と。江戸時代までほぼ未開だったから、それもそうなんだけれど。昔の話を踏まえて散歩したら面白そうだし、江戸城にも一回いってみたいなと思った。それだけで、読んだかいがあった。
- もうちょっと地図とか、図解とかがあればわかりやすいのになと思った。文章だけでは、位置関係とか仕組みとかがわかりづらい。スマホで場所を調べながら読んだ。
100分de名著「徒然草」感想
「徒然草」
感想メモ
- 三大随筆の100分de名著はこれが最後。「枕草子」は清少納言の個性が際立っていた。「方丈記」も鴨長明のこれまでの人生や立場を感じるものだった。でも「徒然草」はもっと客観的というか、兼好法師自身がちょっと読んだだけでは見えてこなかった。
- 主観的な日記や所感というよりは、批評家って感じがした
- こうあるべきだみたいな箇所はなんだか説教臭くて、新聞の批評欄を読んでいるみたいであんまり好きではないなという感じがした
- 兼好法師自体が何かを成したり、一つの道を究めた人ではないので、今一つ説得力がないというか
- 色々な逸話(すごろくの名人とか石清水八幡宮にお参りに行った僧侶の話とか)はオチがあって、含蓄があって面白いなと思った
「七つの会議」池井戸潤 感想
- 半沢直樹で有名だけど、このひとの小説を読むのははじめてだ
映画やドラマの原作になっているだけあって、ひといきに読めるくらいおもしろかった
まさにひと昔前のサラリーマンという感じ。僕が知らないだけで、世の中の大多数の会社はこんな感じなんだろうか。皆出世争いしていて、あいつには負けたくないとか、あいつをひと泡ふかせてやろうみたいな感じで仕事してるんだろうか。もし、そうなら男性の自殺率が高いのも納得だなと思った。僕には絶対に生きていけない世界だ。
- 女性は妻としてしか、出てこない。唯一、ドーナツの子がいるけれど(ドーナツの話が一番好きだ)、話のドロドロしたところとは全く対極の存在として出てくる
こういうのを見ると、ひと昔前の男女観というかも納得がいく。なんか全然違う世界で生きているんだなぁ。男女とも無理しない世界になればよいのにと思う。そして少しずつ世界は変わってきているのだなぁと思う。
経理のやつらはなぜドーナツ代を払わないんだ?